エロゲー→コンシューマ→アニメ化にあるもの

なかなか、面白い考察でした。
主人公のカリスマ性は、時季を追う毎に低下し現在は等身大(やや語弊があるが、リアルっぽいだと思う)の主人公に変化してきたと言う考察。
PC-9801版とか懐かしいなぁ……。
カリスマ性のあるエロゲの主人公というと、私なんかは「ランス3」とか思い出します。「体がなまる」とか「魔剣をうっぱらう」とかある種の男気のある主人公でした。
そう言った意味では最近の主人公は「ヘタレ」が主流かなぁ。
状況に流されやすいあくまで受け身が本質な主人公が多いですし。動かし易いのかも知れません。
最近のゲームのシステム的には選択肢は数本、分岐点のみに配置という感じで。あくまで主人公の選択はヒロインの行動へのトリガーとして機能してるのがほとんど。
あーゆー、ゲームの要請としてヒロイン側を目立たせると言う最低条件がある以上、主人公の正確も受け身体質が性に合ってるのかも?
 

 主流が『変態(もしくは陵辱)偉人伝を楽しむゲーム』から『バーチャル(恋愛・物語)シュミレーション』へ変わったってことなのかもなあ。
 ゲームから物語体感(共感)装置にシフトしたっていうのかな。

じゃあ、以前のはどう違うの?って事になりますね。
実際にはありましたよ。ヘタレ主人公なのが。それもMSXの時代からです。
AVGの金字塔とも言えるアレです。
(フルコンプに正味4時間もあれば出来てしまうような奴だったはずですが)そこから類推すると次のような仮説が成り立つのではないでしょうか?
 
仮説A:AVG(いや、三択恋愛ゲーム)のジャンルに於いては、主人公がヘタレなのは要請的結果である。
仮説B:仮説Aの構成因子は、非日常を構成する上でどちらに重点を置くかによって変化する。
仮説B-1:主人公の世界が、現状構成する世界観から大きく逸脱している場合は主人公側にカリスマ性を与える事が多い。
仮説B-2a:主人公の世界が、日常にあるのに「非日常」としての恋愛を出す場合は主人公側のカリスマを押さえ、ヒロイン側にカリスマを与える。
仮説B-2b:主人公の世界が、日常にあるのに「非日常」としての恋愛を出す場合は主人公側のカリスマを押さえ、ヒロイン側に注目できるような過去を与える。
 

∵その他のAVGでも同じような現象が見られる。古くは「きゃんきゃんバニープルミエール」なんかも主人公はヘタレだったような……。最近では「夜明け前より瑠璃色な」とか「Gift」とか、、、ToHeartとかに限らずある特定ジャンルに於いては主人公はヘタレなんじゃないのか?
万能な主人公を置く場合は、主人公の置かれた状況が現実とは異質な世界である場合は特にそうかも? 古くは「リップスティックアドベンチャー」や「EVE」とか「夢幻泡影」とかもそれに当たるか? 最近のだと……。なんだろ?
ヒロイン側にカリスマを与える。この場合のカリスマは行動力とか決断力に還元できるであろうか……。あとは、因子として暗い過去を与えるという手法。
こちらは、現在のドラマツルギーとして教科書的な使い方をされています。
現在のドラマやシナリオに於いては登場人物には暗い過去を与える事で、登場人物の行動基準を明確化する事が出来ます。
登場人物が何故庫のような行動を取るのか? それは、過去にこのような事があった結果である。と言う手法――。ハッキリ言って、キャラクタは動かし易いのですが、登場する過去の因子が似てくるためいずれは使い古される事になります。
そろそろ、ハリウッドタイプのシナリオライティングな手法が出てくるのではないでしょうかねぇ?
ここで言うハリウッドタイプのシナリオシステムとは、「神話的手法」を駆使した方法でその手の本を漁れば出てくると思われます。
 
もう一つ、何故最近は主人公にカリスマを与える事が苦手になってきたのかというと、長期展望的にアニメ化やコンシューマゲーム機に移植させることが上げられるのではないでしょうか?
特にアニメ化する場合はワンクールにエロ抜きで登場させる以上話しを膨らませないと、放送できないんじゃないかな?
かといって一話読み切りタイプなアニメとは違ってパターン化も不可能です。
そのため、登場人物の背景を作り込む必要が出てきたのではないかと予想します。
 
あー、でも主人公が余計なことに首を突っ込むと言った積極性は現代に於いてはなりを潜めてますねぇ……。
現代になくて過去にあったものは積極性なのかな?