本質論

わざわざトラックバックを頂いたので、一応考えることをしてみる。
レーティングの問題だと私は判断したわけですが、表現手法として強姦は禁止というレーティングがあるのでしょう。

 上記とは逆に、「影響があることは否めず、禁止に意義がある」ということになれば、リアルワールドでは刑法に触れる「殺人」と「暴行」だけが「大量でない」または「ストーリーに必然」という場合には禁止されないとになります。つまり、これはほとんど引っかからないことになります。先に挙げたゲームの場合でも「大量ではなく」「ストーリーに必然性がある」ので禁止されません。

 もし、提供側の都合で、「殺人」「暴行」だけが特別扱いされて禁止されていないのであれば、業界の自主規制はお手盛りということになってしまい、任せられなとなるでしょう。その場合の思考実験として第三者による禁止が選択肢として入ります。

 さて、なぜ「麻薬」「強姦」「売春」は禁止で、「殺人」「暴行」は禁止でないのか?どうあるべきか?

なぜ「強姦」は禁止で「殺人」は禁止でないのか?
わざわざトラックバックを頂いたので、一応考えることをしてみる。
レーティングの問題だと私は判断したわけですが、表現手法として強姦は禁止というレーティングがあるのでしょう。
私、個人の考えでは「レーティング」自体不要なものだと思っています。
むしろ、「選択の自由を奪う」という点において害悪とさえ思っています。
子どもにゲームを与える親が「選択権」を持ち、子どもの情緒の成熟具合で与えるゲームを分別するのが正しい姿でしょ?
んで、ある程度分別のついた青少年なら何が悪くて何が良いのか解るだろうし、それが解らないのは情緒教育を主にになっている親の失敗で、社会の失敗ではない!
子どもの失敗が何故に社会の失敗に繋がるのか?その理論を説明していただきたい。
子どもの失敗は親の失敗だろ!ってこと――

あー、でも最近のエロゲーって強姦多くないか?

陰謀史観で物事を見てみるとだ。
CEROエロゲーメーカーの出向が管理しているんだよ!
な、なんだってー(AA略
ニッチな需要を拡充するためにコンシューマ機には出せない領域を作ったのさ、ふははは!

ま、冗談はさておき……。

私の考える理由はきわめて簡単です。
物事の本質を見るというのはその共通項をはじき出すと言う手法で考えると、殺人・傷害とその他の犯罪とは、犯罪としての成立が明確に区分されているからだということです。
では、もう少し具体的に説明してみましょう。


近代法を持ち出すまでもなく、普遍的な犯罪は殺人と傷害でした(奴隷等は除く)。
それに対して、麻薬・売春、買春・近親姦・強姦・未成年の飲酒、喫煙などの諸犯罪は、近代において成立した新しいタイプの犯罪なわけです。歴史を繙いても、これらの現在で犯罪であるとされているものは古代においては犯罪ではない時代もあったわけです。
普遍的な犯罪はわざわざ禁止しなくても、心理学で言うところのイド(深層心理)からの強い禁止が掛かってる(バイアスが掛かっている)のでわざわざ強い禁止を謳う必要性が無い訳です。
それに対し、近来において成立した犯罪はその根拠が薄い以上、強い制止をかけなければならない。だから、強い禁止をかける必要があるのだと思われます。


いずれにせよ、犯罪として現在では定義されているものをリアル世界において実施するのは(あたりまえですが)タブーなわけです。
ただし、ゲームという仮想空間において制止をかけるというのは未だに謎です。


私は、表現及び個人の自由を束縛するというのは子どもの教育上好ましくないと考えています。
マルチン・ニーメラーの句を引用しましょう。

はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらは社会主義者労働組合員に襲いかかったが、私はそのどちらでもなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらはユダヤ人に襲いかかったが、私はユダヤ人ではなかったから声をあげなかった。
そして、やつらが私に襲いかかったとき、私のために声をあげてくれる人はもう誰もいなかった。

他人の自由を奪う行為が正当化される世界は、得てして自分に跳ね返ってくると思っています。
自由でない世界に生まれたこどもは果たして自由の本質を理解することが可能なのでしょうか?
他人を受容しないゼロサム/オールオアナッシングの世界の方が教育上好ましいとは到底思えないのです。
毒は毒として正しく扱える子どもを育成するためにも、毒は必要は必要だと思います。
いわゆる予防接種と言う考え方も有りかな?


アンケートについて

アンケート自体は非常に興味深い内容だとは思いますが、実際に相関性があるというデータではないので(主にアンケートの主観性のデータ)です。
非常にコレは危険な世論操作だといえます。


実際に多少なりとも関係性があるのでは無いか?と考えている人が、ほら!これだけ居るんですよ? だから、ゲームも規制しないといけないんです!
と言う理論になりかねない質問の仕方は、質問として間違っていると思います。

そのへんはどのようにお考えなんでしょうか?>平野洋一郎さん
(別にそのようにミスリードさせる意図は無かったと思いますが、極力避けるべき部分だったと私は思います。)

警句――
アンケートは、「設問の設定内容」「選択肢の設定内容」「回答者の人数や年齢分布」「代表的な意見としてピックアップされたものの偏り」「アンケート結果に対する新聞記者/発言者の考察」によって、受ける印象ががらっと変わってしまいます。どういった結論に導くことを目的にした「アンケート」なのかをよく見抜きましょう。