女性に勧めても良いかもしれないSF小説10本

Twitterで書いていたのをここでまとめておく。

1.シーフォートシリーズ

大いなる旅立ち〈上〉―銀河の荒鷲シーフォート (ハヤカワ文庫SF)

大いなる旅立ち〈上〉―銀河の荒鷲シーフォート (ハヤカワ文庫SF)

銀河の荒鷲シリーズですね。ま、表紙がそれ系な所からターゲット層を結構女性向けにしているのではないかと邪推。
とりあえず、とある男(ガッチガチのキリスト教信者って設定がまた)がとんとん拍子に出世して行くも、才覚のなさから女から三行半をたたきつけられるような話し。あれだ、「無責任艦長タイラー」のシリーズ+非モテって設定。なんか、これだけ書くととてもつまらなさそうだけどね!
多分、主人公がけなげって人と、うっとうしいって思う人に別れるんじゃないのかな。そのくらい、主人公悩みまくり(笑)
設定はSFだけど、話の内容は現代空軍とか海洋物でも通じる話ではありすので、SFへの足掛けとしては良好かもしれません。
紹介するときの難点としては、ある程度キリスト教の知識が必要になる場面も多く、彼等の常識と日本人の常識とにやや齟齬というか差違があるので注意が必要でしょう。

2.ヴォルコシンガンサーガ

ミラー・ダンス〈上〉 (創元SF文庫)

ミラー・ダンス〈上〉 (創元SF文庫)

作者も女性ですので、視点的にも面白いかなと思います。取り扱っているテーマが「人工生命」とか「試験管ベイビー」とか結構生命倫理をテーマとして扱っていますのでちょっと知的な方面に興味がある人なら食いつくかもしれません。
んで、主人公は醜男。出生の際に母が毒ガスを吸ってしまったため、17歳になっても身長は150cmにもみたず、ふとしたことですぐ骨折してしまう脆い骨格といった肉体的なハンデキャップを持っています。けど、味のある主人公で個人的には好きです。単純に努力だけで成功するって人じゃなくて、人並みに僻みながらも出し抜こうとしてたり、肉体的なコンプレックスを持っていて、さらに出世欲もあるという俗物な設定。

五神教シリーズ

他にもビジョルドは作品を出しています。

チャリオンの影 上 (創元推理文庫)

チャリオンの影 上 (創元推理文庫)

ファンタジー物ですが、同じ作者のこの辺も面白いよ! コレはSFじゃないのでカウント外
 
以上二つは鉄板だと思います!

3.エイミートムスン

緑の少女〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

緑の少女〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ファーストコンタクト物です。成長とその困難をテーマとして取り上げていますので若い人向けのSFになるのでしょう。
女性向けか? と言われるとアレゲですが(イケメンとか出てきませんし!)コミュニケーションの方法とかなかなか示唆的な物が多いのでとりあえず勧めても良いかなとは思います。

ただし! 同じ作者の「ヴァーチャルガール」は禁忌です。

ヴァーチャル・ガール (ハヤカワ文庫SF)

ヴァーチャル・ガール (ハヤカワ文庫SF)

男性がそんなもん勧めたらぶっちゃけ引きます!
いわゆる男性のメイドロボ願望を充足するためだけの作品なので!
日本で発売されてるのはこの二冊だけなので実際には上の作品紹介すると、この作品も気になってしまうかも!って思うので実は結構な地雷作者なのかもしれないなぁ……。
「ちぃ」とか言いません*1女性は(笑)

4.ブラッドベリ

ブラッドベリは非常に好みがはっきりと分かれると思いますので、SFに慣れてきた玄人向き(笑)
ただ、ブラッドベリの原作を漫画化した作品がすでにあったりしますので、そっち方面から攻めるって言う搦め手もあり
萩尾望都ブラッドベリの作品を結構漫画化しています。

ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

個人的には、短編集がオススメではあります。
二人がここにいる不思議 (新潮文庫)

二人がここにいる不思議 (新潮文庫)

SFでは珍しく、新潮社文庫です。短編集ですが良い作品集めてるのでオススメ出来ますね。もう少しSFっぽさを出したいのならこちらかもしれない。ロボットのおばあちゃんの顛末とかは結構好きな話の一つ。でも、若い人向け。
この辺は良いかも?

5.最近(ってもここ数年に出たの)

最近読んで面白い!って思ったのはコレ

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

出生率の相違による女性中心社会でショタな男の子が玉の輿に乗るという設定だけ見たらぶっ飛んだ内容。
でも、裏を見ると結構毒な事が書いてあって個人的にはお好みでした(笑)
でも、これ男性から勧められたらどう思うだろうなぁ……。

6.日本人だと……。

菅浩江はオススメしてもOKではないでしょうか?

永遠の森  博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)

永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)

特に人物描写が繊細で好きですよ。
あとは、五人姉妹とそばかすのフィギュアとかは良いかもね。

7.古典物ハードSF

ハインラインは避けて通れない道と言っても、ぶっちゃけ女性向けではないのよねぇハインラインって!
無駄にあつっぽくて(笑) 少年向きと思います。
まあ、強いて上げるなら……。

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

ま、有名どころですし。それなりに名作。「月が流刑地となっていてその犯罪者の子孫が、オレに罪はないのに不当に扱われるのは納得いかん!って革命をする話」なんですけどね。登場人物は味があって良いですよ。老人とかコンピュータとか要所要所に笑いどころもあるので楽しめるとは思います。

8.SFか?っていわれると困るけど

筒井康隆は日本の古くからのSF者では有りますねぇ。

筒井康隆全集〈14〉農協月へ行く.狂気の沙汰も金次第

筒井康隆全集〈14〉農協月へ行く.狂気の沙汰も金次第

全集の14巻ですが、サブタイトルの「農協月へ行く」や「狂気の沙汰も金次第」の他に、有名な「信仰性遅感症」とか「レオナルド・ダ・ヴィンチの半狂乱の生涯」などがありオススメ出来る一冊。
ただ、黒い人じゃないと駄目です。ある意味人を選ぶね。
ってか、コレを男性から勧められるってのは如何なものか……。

9.SFと言えば猫。猫と言えばSFなので猫が出てくるあれ

SF小説で猫がでてくると言えばいっぱいある訳で、「夏への扉」しかり「星の海のミッキー」しかりです。
個人的にはコードウェイナー・スミス人類補完機構シリーズをお薦めしたい*2ところですが、初めてのSF小説にいきなりアレは少々キツいかもしれません。
なので、無難に「敵は海賊シリーズ」を上げておきましょう。

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)

作者の神林長平は他にも多数の作品を作っているので入り口には良いかもしれません。アプロがカワイイ!とか有れば、
小指の先の天使 (ハヤカワ文庫JA)

小指の先の天使 (ハヤカワ文庫JA)

当たりへ勧める事も出来ます。ま、一個気にいれば他の作品も紹介しやすいという点で量産している作者はオススメ出来ますねぇ。

10.キリンヤガ

キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)

キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)

ちょっと切ない系で攻めるならこれ!
アフリカの部族を主題に置いた文明とそれに置き去りにあえてなろうという人の戦いです。
文化の発展が果たして悪なのか? 停滞は良い事なのか? 様々な切り口で読む事が出来る良本ですね。

XX.ブクマのコメに反応してみる!

「アン・マキャフリイが入ってないのは予想外!」
実は、かなり人を選ぶ作者です。ハーレクインが好きな人には勧めてもOK。どちらかってーと、ファンタジー畑の人だとは思ってる。
歌う船とかは個人的には好きだけど、主人公が無機物(正確には違うけど)だからなぁw

*1:By:ちょびっツ 1 (ヤングマガジンコミックス)

*2:ク・メルかわいいよ!ク・メル!