舌禍問題と“野生の思考”

まあ、有名人の舌禍ってのはあれだね。
もう少し、言葉を濁して「35歳過ぎの自然分娩なんてキチガイ沙汰」って言えば良かったのに。(全然言葉濁してない)
 
なして羊水? って思ったんですよ。
水伝関連とのつながりがあるようで、(一部では)「水伝を信じているのに、羊水が腐るのは信じるのか?」って話になってるようです。

「水伝」では、ビンに「きれい、かわいい」などのきれいな言葉を貼っておくと、中の水の結晶がきれいにできる。
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人間も、体の70%以上が水なのだから同じように「きれい、かわいい」と周りから言われていれば女の子は外側も中身もきれいになる。(これは、本人が発言してます。)
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よって、女性が35にもなるとあまり周囲から「きれい、かわいい」と言ってもらえる機会がなくなるので女性の外側も中身もきたなくなる。
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もちろん、妊娠していた場合はからだの水分である「羊水」も汚れる。

わははは、実に論理的だ!
実に素朴なシャーマニズム信仰ってのを日本で見た気分。むしろ、これこそ想像力の産物だね(笑)*1
彼女は想像力が足りなかった訳じゃないんだよ、想像力の根幹をなす基礎素養が足りなかっただけなんだよ。“野生の思考”だね!
人はありものの知識でしか世界を認識できないんだって事の好例じゃないかな?
 
統計的に35歳過ぎの初産は若年期の出産のリスクから相対的に見てリスクはかなり高いですから、丸高付くしね。
卵子の質が劣化または老化するってのは医学的に正しくて、染色体異常やダウン症の危険性が上がるって勉強したな(およそ10倍だったっけ? 1/100って覚えてる)。彼女もそっちで攻め(?)れば良かったのに……。
そりゃ、自然分娩をする人もいますよ、体力的な部分とか、精神的に安定していて、体質というか肉体的な要素についても適度に運動をしていて基礎能力がある人とかは、自然分娩で出産することができる確率は結構あります。詳しい資料が見つからなかったけど4割くらいは自然分娩だったはず。ただ、そうでない人は子供に対する負担が高いため(もちろん母胎の負担も含めて)帝王切開とかの方法がとられます。大体、若いうちに出産する方が「自然」な訳ですよ。今は、不妊治療の技術や平均寿命などが格段に向上していますからね。それに気づかない社会が(日本おいては)形成されているってだけの話です。(発展途上の国で高齢出産したいかって言うと私はリスクが高いためNOって言う人の方が多いのではないかと思っています。)
 
羊水の問題はともかく、ある程度リスクはあるって話は科学的に正しいけど。人を陥れるためにいうことじゃないってのは確かでしょう。これは、想像力というよりも品性や知性の問題。いくら科学的に正しいからって「35歳過ぎの女の卵子は劣化してて危ない」なんて言ったら同じ結果でしょう。その点で、poohさんの言ってる言葉を大切にしていないって言うのは正鵠を得る話だと思います。

P.S.
ところで、「倖田來未ってラジオのパーソナリティ?」って聞いたら、かわいそうな子を見る目でため息をつかれた!

P.S.2
“野生の思考”はレヴィ=ストロースのアレですよ。

*1:むろん菊池さんの「想像力」とは違う意味合いですがw