ちょっと待って、論駁側は対案を出す必要ないよ?

匿名至上主義者には、実効的かつ受け入れ可能な対案がなく、かつ、妥協の余地がない。: la_causette
政策討論において、論駁側が行うべき作業は「メリット」と「デメリット」を提示して「デメリット」のほうが大きいことを証明することが必要な作業であって、対案を出すってのは横紙破りで唾棄すべきことだと思ってます。
特に政策討論においては、新しい論点を作ってはいけないというルールがあります。

1)プランを導入しなければ,そのメリットあるいはデメリットは発生しないこと。
2)プランを導入すれば,そのメリットあるいはデメリットが発生すること。
3)そのメリットあるいはデメリットが重要・深刻な問題であること。

これらをお互いが主張して判断されるべきでしょう。
 
特にブログなんかの、公共的(public)な議論を行う場において、何らかの論点、課題について、対立する複数の発言者によって議論がなされ、議論の採否が議論を聞いていた第三者によって判定されるべき問題だと思うんですがね。
 
小倉さんの主張が2年以上変わることなく主張していて考えを変えていないというのは、あくまで政策ディベートの肯定者側に立って反対意見を持つ人と対話して第三者に判定してもらいたいという立場なのだと思ってました。
 
飲酒運転によるその議論については、
「飲酒運転を禁止することのメリット」と「飲酒運転を禁止することで起きるデメリット」を勘案してメリットのほうが高いからですよね?
飲酒運転を禁止することで起きるデメリットとして、「飲み屋が儲からない」とか「酒を飲む権利の侵害」とかのデメリットが発生するわけですが、前者に関してはタクシーや運転代行業によって回避できますし、「酒を飲む権利の侵害」については「運転をしなければ飲んでも構わない」という話であって、権利の侵害とは言い難い話だと思うんですが。
それに対して、「飲酒運転のメリット」は「交通事故者のうち飲酒によるものと飲酒によらないもの」の統計で数値的にメリットがあるということが証明されているわけです。つまり、交通事故を防止することによるメリットとデメリットを比べたらメリットのほうが高いという話ですよね。つまり、『飲酒運転を禁止する政策を導入することの可否』という政策ディベートにおいて、対案を出すのではなくメリット・デメリットを考えるべき内容であって対案を出す必要性は少しもないわけです。
転化して、『匿名表現による誹謗中傷を阻止するための「実名制政策の導入」に関する可否』についても、導入によるメリットよりもデメリットのほうが大きいのでその政策は否定するという話なんだと思います。
一応デメリットを挙げてみますと、

  1. 未成年の問題
  2. 個人情報が漏出する問題
  3. 同姓同名の人が、他者の発言と勘違いされる問題
    1. これ、IDでもいいってことになったらハンドルネームでもいいんじゃないの? って話になりますよね?
  4. コストを誰が負担するか?
  5. 技術的に対応可能か?
  6. 抑止による効果はどのくらいあるのか?

このくらいは思いつくわけです。