宗教の変移構造に関するメモ

今回は、マジナイ(呪術)と宗教の違いについての考察。
まずは、次の画像を見てね!

縦軸が「問題解決の範囲」を示す軸。
横軸は「対象範囲」を示す軸です。
古代に於いて、共同体として成立するためには様々な問題があったわけで、それぞれの問題を解決するために(例えば干ばつなどの)個別の問題を解決しないといけませんでした。そこで登場したのが古代宗教と呼ばれる物です。おおよそ「トーテニズム」とか「巫術(シャーマニズム)」と言った形態になります。
そして、農耕が発達すると共に城壁都市が成立すると神権政治が登場します。民族の代表者が王(この場合は神権とか宗教儀式の代表者)が据え置かれて政治を司ります。そうするとさらに共同体と一致した祭祀が必要になるわけですね。また、人口の増加と共に個別の儀式では対応しきれなくなって来るものをいかに説明付けるかと言った問題もでてきます。
ここで発生したのが民俗宗教と呼ばれる奴ですね、ユダヤ教なんかが代表としてあげられるのではないでしょうか? 個別の問題だけでは説明できないことを一次元高い状態の説明として全体的な問題に置き換えるという手法です。
そして、民族だけで固まっていた物が、他民族との共同的な生活をせねばならない時代へと突入します。民族から個別の人間に対する問題解決の説明が必要になるわけですね。そこで登場したのが世界宗教キリスト教や仏教がその代表と言えます。
キリスト教が1世紀に登場したって言うのは、ローマなどの多民族国家が登場したという背景を考えると必然的な現象でもあると言えるのではないでしょうか?
そして、現代に入り全体だけでは説明できない諸問題を解決する方法として新興宗教が登場するわけですね。
カルトの基本は全体的な諸問題の解決よりも個別の問題をいかに解決するかがその発展に於いて重要なポイントなのではないかと考えます。
 
ああ、日本は城塞都市というのが登場しなかったので直接、古代宗教から世界宗教へとスライドしていきました。
この辺日本文化を理解する上で重要なポイントと言えるのではないでしょうか。
 
取り急ぎ今日はここまで。