最果てのイマ 終了(もちろんネタバレあり)
取りあえず感想
久々に文字通り18未満禁止な内容ですな――特に文章が(笑)――これ相当な知識がないとついて行けないよ。
そう言う意味では読解に18禁な感じ、おこちゃまには理解も及ばんだろう←多分この辺が、評価別れちゃうところじゃないかな?
多分、ゲームの中に出てこない最重要キーワードは、「ネミの司祭」じゃないかな。あー、金枝篇ね。
- 作者: ジェイムズ・ジョージフレイザー,James George Frazer,吉川信
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 111回
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- 作者: クロード・レヴィ=ストロース,福井和美
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2001/01
- メディア: 単行本
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ある意味実験的なゲームだと思う。
私が意欲作として評価しているのはその点です。
ゲーム自体は、まさにヒグラシシステム。
話しはほぼほぼ一直線で、最後に謎だけをぽーんと読者に渡す手法。
ゲーム終了後に断片をつなぎ合わせて正しい形に配置させると言う方法は、ヒグラシのなく頃にの見えない断片を追加させる方法の対に為るゲームだと思う。
発売時期、制作期間を考えると非常に意識しているのではないだろうか?
おそらく敗因は、ヒグラシが「見えなかった部分」を解答編で提示するのに対して、最果てのイマは部品だけを投げ渡しただけで終わっちゃったのが敗因かなぁ……。
まさにゲームの方が人を選ぶと言うゲームと言うのが感想。
この辺からネタバレを含む言説
かなりの参考資料が必要だと思うなぁ。
エディプスの恋人は物語のテーマにもなりそう。七瀬シリーズだね。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1981/09/29
- メディア: 文庫
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「人間に主体性というものはあり得ないのか。人間が自分の主体性と思っているものはすべて『彼女』からあたえられたものに過ぎないのだろうか。」
あと、舞台設定も学校という環境を提示しているので、最果てのイマやって肌にあった方は読んでみると良いかも。
もう一つのテーマは「ブラッド・ミュージック」グレッグベアだね。「たった一つの冴えたやり方」の正反対版。
- 作者: グレッグ・ベア,小川隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1987/03/11
- メディア: 文庫
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- 作者: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1987/10/01
- メディア: 文庫
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同じ微少細胞というか生命体を取り込むって話しだけど、ブラッド・ミュージックはひたすらグロイしエグイ。進化のもう一つの形を提示しているとは思う。「たった一つの冴えたやり方」は同じ別意識を取り込む話しですが、ラストはキレイというかひとりで解決してしまう当たりとは大違い。
この辺が底辺を流れるキーストーリーっぽいと思った。
多分基本アイディアは、「エディプスの恋人」の「自由意志は本当に自由意志なのか?」というテーゼがあって「人の意識を変革してしまう寄生ウィルスがあったら?」って言うアイディア。の流れなのかもなぁ。
小ネタにはかなりの書物が消費されてる様子。
SAN値とか絶対クトゥルフのTRPGやってるよこの人。
クトゥルフ神話TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: サンディピーターセン,リンウィリス,中山てい子,坂本雅之
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本
- 購入: 21人 クリック: 1,263回
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学術書関連では、ISBN:4826901062アに良いかも(認知論は必須)?
ミームに関しては「利己的な遺伝子」当たりが、
意識階層についてはユング関連?(特に意識の第2階層はユング派の解釈が通っています)
戦争編の心層ダイブでは太源母とか、集合的無意識の概念が非常に重要。
神話学の基本書にも出てくる内容。
は、神話学でも登場するので注意。
特に、カール・ケレーニイは要注意かも?
GVPに関してはインターネット以前のネットワークに関する論文にあったような、ノイマン?
王の役割は金枝篇だね。
他にも、身体論とかの基本書とか必要かも。
このゲームの一番の問題は、このくらいなら時系列的に並べ替えられるだろうと言う幻想を持たせたところ。
いや、逆にこのギミックがなかったら有名にもならんかも(絶対にgdgdゲームの一員になってたハズ)
おそらく私が想定している物語の時系列は大前提として以下のような形をとると思われる。
- 時間軸は大きく分けて3つ
- 戦争前
- 戦争前後の数日間
- 戦後の1年間
- 笛子は2人いる。
- 認識のミスはあっても嘘はない
何故、田中ロミオ作品は評価が分かれるのか
sunagi氏のところでおだてられたので、木に登ってみるテスト。
客観的に木に登ってる状況は滑稽だけど。半分は自己満足なのでOK。
非常に独創性が高いと言う点でこの作品は評価されると思います。
ストーリ面での独創性も然りですが、システム面での独創性がわたし的には評価の対象。
エロゲなのにエロの部分で評価されないというのが、独創性の表れかも(笑)
一般的に評価が分かれる点は「テキストの難解さ」と「ブログシステム」の2点に集約されると思います。
ブログシステムのギミックは評価できるのですが、果たして有効に活用していたかというと、まだまだ改良点があると思います。
バックログ部分でもリンクが使えるようになれば、快適だったかも?
せっかくだから、はてなのキーワードリンクのように飛んで行ったら帰ってこれないくらい深い階層性や、まったく無意味な用語説明を増やして煙に巻くなんてのも有りかも。
テキストの難解さについては、プレイヤー側の知識量に依存するので何とも……。
理系の大学出たくらいでは追いつけないほどのテクニカルタームが頻出ってのがアレルギー反応を起こす人も居るのは確かだと思う。むしろ、アナフィラキーショック位の過敏反応は出るはず。良い意味でエロゲの範疇は越してるし。
プレステとかで全年齢で出してもマズ受けない事を確約しても良いさ(笑)
C†Cと共に、主人公が万能ってのはユーザからはどう評価されるかが命運を分けている感じ。
エロゲの基本構造として、主人公は「昼行灯属性(ヒルアンドンゾクセイ)」が付与されているゲームが多いわけですが、田中ロミオ作品に共通する主人公像。
知ってて、あえてスルーする(面倒事は嫌いだから)。この辺に共感できるドライな感覚がないと、据え膳食わないなんて! ってことで共感が得られないのだと思う。
C†Cは、最果てのイマより全年齢的なテキストだからコンシューマーでも売れると予想。
ブンガク系に読ませても良いんじゃない? ダークで思弁的な作品が好きな人は嵌ると思うよ?
基本的にエロゲーってエロは着脱可能なのが多いし。
特にロミオなんか、エロゲーなのにエロ入れ忘れてるくらいだし(笑)