文学について

世の中には幾つかタブーと言うのがあるわけですがとりわけドイツなんかは、ナチス関連はほぼほぼタブーの領域の事だそうで、冗談でも口にしたりしてはいけないらしいです。
ですが、文学という物は作者の内面に焦点を当てるべきで作者の過去や経歴に焦点を当てるというのは、如何なものかとは思います。
評論において、「作者の過去の経歴が○○だから○○な表現になったんだ」と言うような書き方では評論を知るものに失笑を買います(でも、実際にはそう言った「似非評論家」が多いことも確かです)。
大体に於いて、事実を知るまでは素晴らしい小説だと絶賛されていたのに、作者の過去を知ったから剥奪するというのは文学に対する冒涜だと思います。

第2次大戦末期、17歳でナチス・ドイツ武装親衛隊に入隊していたと告白したノーベル文学賞作家ギュンター・グラス氏に対し、内外から厳しい批判が相次いでいる。独与党の保守キリスト教民主同盟(CDU)の文化専門家ウォルフガング・ベルンゼン氏は14日付のビルト紙上で、グラス氏にノーベル文学賞の返還を要求。戦後の独社会に「過去の克服」を訴え続け、「ドイツの良心」と称賛された文豪は、その名声を失いかねない事態に直面している。