例えば円周率の話し

まあ、思考実験としてはこっちの方が面白そうだけどね……。
逆パターンもあり得ると思います。


例えば、πの演算をしていたコンピュータのデータ列にJASRACによって保護されている。ピンクレディー「UFO」の1曲文まるまるのデジタルデータと同じ部分が発見されたとしよう。
そこで、JASRACがπの演算をコンピュータにさせていた人を捕まえることが出来るかと言う話しである。

すべてのデジタル情報は、有限の自然数として表現可能である。
∴すべてのデジタル情報は、上記の数の小数点何桁目かに必ず現れる
∴すべてのデジタル情報は、上記の数の引用物である
∴引用物そのものに、著作権はない
∴すべてのデジタル情報の著作権は、上記の数の著作権保持者に帰属する
ところが、上記の数の著作権はそもそも存在しないか、したとしても消滅している。
そもそも数そのものに著作権は設定できないはず
設定できたとしても、上記の数は少なくともCantor以前にその存在が指摘されている
∴すべてのデジタル情報の著作権は、消滅しているかそもそも存在しない

と、ココまで考えたらどっかで見たような文章だったので検索してみた。

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大学教授、円周率を計算し過ぎて逮捕

従来のコンピュータの数千兆倍の速度で円周率を計算する「仮想テラキュビット・グリッド」を開発した千葉電波大学の宍戸万芳(ししどかずよし)教授が、一日、著作権法違反(楽曲の無断送信)の現行犯で逮捕された。

宍戸教授は、「仮想テラキュビット・グリッド」という新しい方法を用い、 インターネットで処理を分散することにより円周率を効率的に計算するプログラムPnppy(ピンピー)を開発、 円周率を無限に二進数表記することに成功したが、 JASRACが調べたところ、このプログラムでやりとりされている円周率の小数点以下「e↑↑↑(29↑↑3兆)」桁目付近(eは自然対数の底、↑はクヌースのタワー記法)からの数十メガバイトに、 市販CDに含まれる、クリスタルキング「大都会」のデジタルデータと完全に一致するバイナリー列を発見。 著作権者に無断で、各ノードのキャッシュから誰でも自由に取り出せる状態になっていた。 このプログラムの出力はさらに、JASRACのすべての管理楽曲の無断コピーを含んでいるとして、 被害届が出されていた。

京都府警特捜班では、コンピュータ技術に詳しいベテラン捜査員5人を投入し、 一年間をかけて、プリントアウトした円周率の該当桁目とクリスタルキングのCDのデータのダンプ、数千ページを1バイトずつ目で比較。 完全なコピーであることが確認されたことから、 著作物の無断送信の現行犯で、ユーザ数万人を一斉逮捕した。同教授は取り調べに対し、 「円周率はランダムビットだからどこまでも計算していけば、 どうせいつかは著作物と同じデジタルデータが出てくることは避けられない。 避けられないことなら、後押ししてしまってもいいかな、と思った」などと故意を認める発言もしているという。

宍戸教授のプログラムの動作原理になっている計算式を公開したラマヌジャン氏も、 著作権法違反ほう助の疑いが持たれている。

千葉電波大学によると、 Pnppyは、インターネット経由で接続したコンピュータの空き時間を利用し、 各コンピュータに量子素子のふるまいを持たせ、数万台を並列化することで、 従来型コンピュータネット上に超巨大な「量子コンピュータ」を仮想構築する画期的な技術で、 「P=NP?問題」という数学上の大問題や、人工知能の研究などで、重要な意味を持つという。

JASRACの話 円周率はあらゆる著作権を侵害する極めて違法性の高いデータ。 教育上も問題があることから、学校の教科書でも小数点以下の公開を中止し「約3」とぼかすことで、 権利を保護しているというのに、大学教授が率先して侵害するとはあきれる。 「物理計算やベンチマークに役立つ」などと言い訳しているが、実際には、小数点以下何万桁もの数字が必要になることはありえず、 ほとんどすべて楽曲の無断複製のために使われているのが実情であることから、訴えに踏み切った。 宍戸教授のプログラムはインターネットを通して無料で配布され、 誰もが簡単に音楽を無断コピーできる状態にされており、回復不可能な被害をこうむった。

あった……。
のでモウイイや……。


ああ、そう言えばホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』の中に「バベルの図書館」って作品があったなぁ……。
と思いだしたので検索――
「中央に巨大な換気孔をもち、六角形の閲覧室が蜂の巣のように上下左右に積み重なる出口なき図書館がある。司書たちはそこに住み、そこで生涯を終える。そこは「バベルの図書館」と呼ばれ、あらゆる言語で表現可能なものすべてが収蔵され、そこにはすべての問題に対する解決が必ずあるとされる。それ故、そこに収蔵されているすべてのテキストは引用であり盗用である、とされる。またすべての所蔵本の概要である本の存在がささやかれているが、その本はまだ発見されていない。」
バベルの図書館 - Wikipedia
膨大なデータになって検索することが不可能って感じじゃないかなとは思う……。