経営者としての立場から言わせて貰うと
本編
以下の記事に触発されて、経営者側の視点からの説明。
いずれにせよ、雇用シフトが硬直化し、雇用の総数の増加を対策として施すだけではNEETの問題は解決しない。
NEETに属する。30代前後の人を雇うより、新卒採用の方が経営者として美味しいのです。
あと、50代以降の準高齢者の人を雇っても国から補助が降りるのでですよ。
中高年試行雇用奨励金
特定求職者雇用開発助成金
継続雇用定着促進助成金
基本的に長く業務に従事した人(またはしてくれそうな新卒者)を長期にわたって確保する為の方策としてもメリットがあるわけです。
ハッキリ言って3年くらいで離職されちゃうと、会社として旨みが出ないのです。
世の中、大企業だけじゃ無くて零細企業の方が総数が多いわけです。んで、零細企業はちょっとした出費でも風邪を引く経営状態だったりするわけで、よほどのドンブリ経営をしていない会社以外は経験者優遇、即戦力を求めているのが実情。
もし、そう言った即戦力にならないような人材なら、国から補助の降りる準高齢者だったり、毎年定期的な人材の確保が*1可能になりそうな新卒者を採用した方が遙かにメリットが高いのです。
現状NEETに属する30歳前後に関わる国の補助というと、試行雇用(トライアル雇用)奨励金しかありません。
短期間(原則3か月)雇用する事で一人に付き月5万円の補助が降りるわけです。
そう言った状況のなか、企業から見るとわざわざNEETに属する人たちを雇い入れることにメリットが見いだせないのです。
面接で1年以上の空白があるような人は警戒します。
つまり、その期間において自己を向上させる事もなかったのではないか?
技術系の職場などでは常に最新の技術の獲得が問題になります。そう言った中で、仕事を抱えながらも新しい技術に注目しそれを獲得しようという向上心があるか無いかというのは企業体力の存亡に関わる問題です。
NEETだった人にも何人か面接を行ったことがありますが、履歴書の穴の部分を聞くと皆一様に目が泳ぐので、黄色信号がともるのです。
補足して説明申し上げますが、NEETだから取らないと言うわけではないのです。その求職の期間にどんなことを覚えて以前の自分とどのように変わったのかと言うのが欲しいのです。
そう言った訳で、私も雇用の総数の増加を対策として施すだけではNEETの問題は解決しないと考えています。
雑感として、NEETはインモラルかと言う事に関してはノーと答えたい。
例え、緊縮雇用の中でふるいにかけられたとしても、本来的には働く気力に満ちていたはずだからだ。
経年劣化と言うべきかだんだん働く事への意欲を失わさせたのが、即戦力を求める我々中小零細企業にも原因の一端はあると思うのは、高いところからの視点でものを言ってるかも知れないが、正直な雑感でもある。
*1:意外と、専門学校はそう言った営業活動をしているのです。就職率が高いとそれだけ入校者が増えるからでしょう