深夜映画

博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
まあ、何ともまあ長い邦題の映画ですが……。
名作と言われているので、興味を持っていたんですが深夜の民放で放送するようなので鑑賞。
ブラックコメディーですねー。。。
制作年が、1964年と言うこともありベトナム戦争の拡大、キューバのミサイル危機など、きな臭い世情でありました。
テーマは、たった一人の気が変になった軍人の行動が世界の破滅に繋がるという怖い怖いお話です。登場人物はスターリング・ヘイドンの軍人のほかも皆、一風変わった人物ばかり。
「そんな命令は出さん。戦争は政治家にゆだねてはならん。彼らにはそんな時間も素養もない。ここで手をこまねいて共産勢力、共産思想の侵入を見過ごすわけにはいかんのだ」と言うリッパー将軍のセリフは当時の軍人の意見かもしれませんね……。
微妙に大統領が好きです「私はヒトラーと張り合う気はない」とか「」
なんと言うんでしょう、登場人物の全てがステレオタイプで設定を解りやすくしてるのが良いかな――
大統領とイギリスの軍人さんは心配性の常識人。心配でオロオロするだけであまり行動力がなかったり、大真面目にワケの分からん解説をする博士。
自分で自分が何やってるか分かってなさそうなところが何とも不気味。
それから、博士の説明を基に一生懸命に戦略を考えたり実行する軍人さん達。ひたすら一生懸命に相手を出し抜く事ばかり考える。一生懸命さがとても滑稽です。
一生懸命考えたり、命令を考えずに実行する前に、その前提となっている事態を疑わないところが、まるで機械仕掛けのよう。人は自らを機械にする時、人に対して相当残酷なことを平気でできてしまうというのが書けていたと思います。
最後のストレンジラブ博士の演技は秀逸の一言かと、直ぐに右手を真上に挙げて「ハイル」の体勢を取ってしまう義手の動きとか……。最後まで冷徹な頭脳を持った精神病者ってかんじでしょうか?
ラスト「総統歩けます!」の後の「We'll meet again(また会いましょう)」には有名すぎて笑っちゃいますね