2010年「暴力シーン撤廃法案可決」への思考実験

この思考実験という名のゲームのルールは「少年犯罪の増加」「ゲームが青少年へ影響を及ぼす」「法案成立」いずれも「真」であるところから開始します(当方は相関性は全くないと思っている)。
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2008年当たりから騒がれていた「青少年育成のための暴力表現を規制する法律(通称:暴力シーン撤廃法案)」が衆議院で可決しました。
法案を一部抜粋してみましょう。

前文
 憲法でも謳われている平和への願いを恒常な物とするために、青少年の育成に(以下略)
第1条 定義
 暴力とは、人に対して素手若しくは武器及び凶器等を使用し攻撃をすることを指す。
 暴力表現とは、暴力により受けた物が"流血"または"死亡"する表現を持った著作物を指す。

某局アナウンサー
この法案は、"流血"や"死亡"を伴った表現を暴力表現として定義しているので、一部では「ザル法案」などと言われており、法案可決後は「流血しないロボット同士の対戦」や「エイリアンを相手にしたもの」などが販売される予定になっているなど、多くのメーカーでは対応に苦慮しているようです。
また、別な所では洋画にあった、戦争物やアクション物と言われるビデオ及びDVDのレンタルが出来なくなる等の問題も発生しており…………。


2012年2月、新暴力表現撤廃法案
今まで、規制がされていなかった、ロボット同士の対戦やエイリアンを相手にしたゲームなどは問題なく発売できたと言う指摘から新法案では「暴力により相手が行動不能や倒れる」という一文に変更されました。
これにより、今までテレビなどでおなじみの「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」などは放映禁止になり、レンタルショップなどでも禁止がされる事となりました。
また、「踊る世間は鬼ばかり」の4月以降の放映が暴力シーンが含まれていることから放送を取りやめになり、脚本家の橋本スガコさんのコメントによると「表現の自由への侵害だ」と言って断筆宣言をだしたようです。
また、一部の昼ドラにも影響があり4月からの番組編成に大きな問題を残すこととなりました……。


2012年6月 雑誌伸潮記事「いま秋葉原がアブナイ!!」より一部抜粋
またしても秋葉原ではブームが到来している。2012年に可決された新法暴力表現撤廃法案で下火になっていた秋葉原が密かな注目を集めている。10年ほど人通りが少なかった裏通りでDVDソフトの違法販売がされているのだ! いまは、ご記憶に新しい型もいるだろうが「水戸黄門 全集DVDセット」などが闇で高値で売買されているのだ。販売方法は移動店舗方式といわれるもので、ワゴン車などで商品を見せ直接販売するという方法だ。


2012年8月 雑誌「同人ゲーム」
いま同人格闘ゲームという新しいジャンルが流行している。………中略………今までも、サークルと言われる趣味人たちが作っていたゲームが、今まで現役で働いていたゲーム会社の社員たちが個人の名義で制作し販売を始めたものだ。
新法案可決後、個人で楽しむ分には問題ないと言う一文がありその方の抜け穴を利用した販売方法だ……。

まとめ

と言う形で、どう考えてもこの法案は「ザル法案」としか思えないってこと、暴力表現の定義が出来ないと言う部分。
暴力表現の定義の網が大きければ何でも通るし、編み目が細かければ他の所にも影響が出る。
そして、本来隠したいところは闇に潜ると言った弊害がでる。


本音、可決したければ可決すればー? 法の穴かいくぐって商売できるし、需要があって供給が少なければペイは高いしね。ああ、うん是非とも賛成(笑)