Probatio Diabolica

今年初の党首討論が昨日行われたらしい。
ダイジェストでニュースとかでやっていました(全てを見たわけではないのでマスコミによる意図的な情報操作があることもふまえて)。

 「具体的な金融機関名を出す。そのことを前提に国政調査権を発動すべきだ」と迫ったが、首相には「具体的な証拠を掲げて本物と言えば(問題は)済む」と切り返された。「さまざまな情報から、資金提供がなされたのではないかとの確証を得ている」と言い張ったものの、新資料の提示はなし。メールを最初に示した永田寿康議員はこの日も国会に姿を見せず、民主党の手詰まり感だけが漂った。

などのやりとりが成されていました。
ここで言いたいのは、「無いことの証明」という問題――
悪魔の証明とも言われますが、あることを証明するのは簡単なのに対し、無いと言うことを証明するためには「”有る”証拠が無い」ことを証明しなければならず非常に困難だという考え方。
つまり証明に対するコストがあることを証明する側と無いことを証明する側とでは、明らかに違うために通常では、「有る」ことを証明する側が証明責任を負うべきだという考え方が一般的です。
悪魔の証明 - Wikipedia
今回は、論拠であるメールの真偽が判明していない為と言うこともあり、戦略としては制限時間いっぱいで時間切れを狙ったものだと考えます。
戦略的には正しい(と、言うよりそれしか方法はない気もしますが)と思うのですが、戦術部分で幾つかの誤りが有ったような気もします。
基本的には、相手の発言を減らすためにも持論を展開し(しかも、とても複雑な複文を使って)、幾つかの存在を示す資料があり、現在はその真偽を精査中であることをアピール、メールについての真偽も現在調査中であるため、期日を設けて○月○日までに真偽が確定しない場合はその証拠については取り下げて別な資料で争う旨を発表、んで偽物っぽかったらひたすら精査中と答えて、期日が過ぎるまで放置って感じが妥当な戦術だと思ったり――。


あと、辞職云々が発表されてますが、小泉さん的には「比較的改革政策に賛成派な民主党党首なので、わざわざ首をすげ替えて反小泉派の党首を出したくない」と思うので、のらりくらりとうやむやにするんじゃないかな?
自民党的には「与しやすい人物」って感じだろうしね(敵対党派から好かれちゃう議員ってもの考え物ですが)
最後の一撃を加えないように手心加えてるのがちょっと見えたなと思います。
あとは、党内の派閥争いですねこればっかりは……と思います。